イタリアングレイハウンドとの出会い

1993年の秋、通りすがりの路地裏でガレージセールが開かれていました。なんの気無しに覗いてみると、『最新犬種スタンダード図鑑』という本が500円で売られていました。試しに買ってみた。ガレージセールで何かを買うという行為をしてみたかったのである。その図鑑をぱらぱらめくっていくと、どうも、サイトハウンド系に興味を示す自分に気がつきました。最初に気になったのはミニピン(サイトハウンドではありません)で、次がトイマン(これもサイトハウンドではありません)、グレーハウンド、ウイペット、そして、最後のページに他よりは小さい扱いでちょっとだけ載っていたのがイタリアングレイハウンドでした。その頃から、ちょくちょく図鑑を眺めているうちに、そのちっちゃい扱いのイタリアングレーハウンドにはまっていってしまいました。みちるともう1頭それも、イタリアングレイハウンドと暮らしたい。ちょうど、部屋が手狭になってきたこともあり、犬と一緒に暮らせるマンション(その時住んでいたマンションもペット可でしたが)を探しはじめ、半年以上かかって少し広いペット可物件を見つけました。でも、当のイタリアングレイハウンドは、ペットショップで1回見ただけ、どこに売っているのか、本当に買うことができるのかと、漠然と思っていました。そうしているうちに5月、無事に引っ越しも済んで、さあ、本格的にイタリアン探しだ!というまもなく、なんと、住民票を移しに区役所へ行った帰り道。ぼちぼち歩いていると、突然、『イタリアングレーハウンド犬舎』という文字が私達の目に飛び込んできました。思わず声に出 して読み上げていました。「イ・タ・リ・ア・ン・・・!」こんな地元でイタリアングレーハウンドという文字に出くわすなんて! なになに、これは何だ! 看板があるじゃない!どうみてもスナック、軽食喫茶という感じ。お店の看板の位置に犬舎の看板がある!本当に犬舎?もしかしたら、『イタリアングレーハウンド犬舎』という名前のスナック???しばらくは、その事実がまったく理解できず、何度も見直しました。ようやく平静をとりもどし、よーく見てみると、お店はしまっているし、誰もいないようだしー。でも、確かにイタリアンには関係あるんだろう!と勝手にお店の裏にまわり込み、ずかずか侵入していきました。すると!!!!!!!! いました!いました!ブルーのイタリアンが2匹。ケージにはいっていました! まさしく、運命的な出会い。(と思いこんでいる。) うわぁー!本物だー!こんなところで会えるなんて、早速、裏口をたたいてみても誰もでてこない。しかたない、住所をしっかり覚えて帰ろう 。電話帳で探し出そう!暗くなるまでじっと待って、いざ電話をしました。。。「突然すみません、犬を見たのですが、、、ブリーダーさんですか? イタリアンが欲しいんです。。。」唐突な電話にもかかわらず「あらぁー!」「ぜひ、見にいらっしゃい」(男性です)とても善さそうなブリーダーさんでした!数日後、お店に伺うと、そこはやはりスナックでした。色々お話をし、ブルーの牝がほしいことを伝えると、ちょうど母犬が妊娠中とのこと、あと1ヶ月半くらいで産まれるので、生まれたら連絡をいただくことにし、その場をあとにしました。待つこと2ヶ月、ブリーダーさんからの電話、「生まれたから見にきてちょうだい、ブルーの女の子取ってあるから。」次の日、早速、例のスナックへ。いました、いました、ちっちゃいのが、うねうねと。感激していると、ブリーダーさんが、「ブルーの女の子だったわね」とブルーの女の子を抱かせてくれた。しかし、私は、そのとき、真っ黒のちっちゃいやつが妙に気になって、「黒いのもいるんですね?」とブリーダーさんに尋ねた。そうです、それまで、黒いイタリアンがいることすら知らなかったのです。だって、図鑑には黒なんて書いてなかったもん。すると、ブリーダーさんが、「黒はあんまりいないのよ」その言葉が、限定品に弱い私たちの心を鷲掴みにしちゃいました。次の瞬間、「この、黒いのにします」と、私たちは言っていた。それが、初代イタリアンのバッジオです。バッジオは、名前をその場で決めたので、血統書もバッジオで登録していただきました。(ちなみに母犬はロベルタ、ロベルタ・バッジオ?)これが、私たちのイタリアンとの出会いです。今でもこの偶然に感謝しています。

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